スタッフブログ

リバーランド建築設計室

  • 2020/05/04
  • ブルーベリー農園

農業共済新聞の取材がありました。

4月16日、農業共済新聞の取材を受けました。「やる気のある農家」さんを取材しているとのことでしたが、僕は自分がやりたいことをその時その時精一杯こなしているのが実情でして、記者さん2人にあれこれ質問されると改めて自分の気づきがありました。当日は、大変お天気もよかったのでブルーベリー畑の一角の休憩コーナーでお茶を飲みながらの取材でした。以下、ラフ原稿ができてきましたので公開いたします。

農業を取り巻く環境は厳しいですが、そんな今だからこそこの小さな取り組みを始めました。

愛西市森川町の伊藤博雄さん(57)。伊藤さんは、設計事務所を経営しながら、自宅の前にある畑(約15a)ラピッドアイ系ブルーベリーを中心にラズベリー、ブラックベリー、オリーブを栽培している。「栽培5年目でようやく安定して収穫できるようになった。自分のベリーをゆくゆくは地域を代表する特産ブルーベリーにしたい」と伊藤さんは話す。5年前に、設計事務所のお客さんからブルーベリーの苗をもらった後、偶然訪れた農家カフェがブルーベリーを栽培していたのをきっかけに栽培を始めた伊藤さん。初年度は5本からはじめて、現在は150本近く栽培している。今後も規模を増やす予定だ。伊藤さんは、オペレーターだった父の圃場を受け継ぎ、ブルーベリー栽培をしている。当初はブルーベリー栽培規模の拡大に不安があったそうだ。「収穫前に、父は自分の育てたブルーベリーを食べることなく亡くなってしまった。栽培本数を5本から100本に増やすときは母にとても心配をかけたけど、今は元気に育っている。天国の父も安心できた頃かな」と今までを振り返る。設計事務所での繋がりから、県外の木材加工業者からバークチップ(ヒノキやスギの皮のチップ)をもらったり、ブルーベリー栽培者を紹介してもらったりしている。また、生産者を中心とした全国組織である日本ブルーベリー協会の講習会に参加し、ブルーベリーの繋がりを広げるとともに、栽培技術の知識を深めている。「滋賀の協会理事の農場での剪定講習はとても勉強になった。実際に接ぎ木しながら学ぶのは貴重な体験」と嬉しそうに話す。過去には50本枯らしてしまった失敗もある伊藤さん。ブルーベリー栽培は教科書通りだけでは失敗するので、創意工夫や試行錯誤の積み重ねで独自の育て方を実践していると話す。「先輩農家はみなそれぞれに、自分で考えた工夫があった。」と伊藤さん。伊藤さんも独自の工夫ができるようになってから、収量が安定してきたそうだ。今年も去年に引き続き、市内の道の駅(立田ふれあいの里)で生ブルーベリーを販売する予定だ。新たにラズベリーやブラックベリーも加えたミックスベリーの販売も計画している。設計士をしている傍ら毎日朝5時と夕方5時に畑に行く生活を送っている伊藤さん。「設計士の僕は、【建築にデザインを加えると豊かになる。人生にデザインを加えると幸せになる。】という言葉が好き。僕は人生にブルーベリーを加えて、もっと充実した人生をデザインしていこうと思っている。」と夢を語ってくれた。

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